八ヶ岳の冬の朝、室温は20度・外気温が-10度と言う状況は、意外に多くあり得る状況です。オルケアの今の断熱工法で施工した場合は普通に朝の室温は18度とか20度です。そうなると、温度差は実に30度を超える物となります。
そうなると、壁内結露も怖いですが、窓の結露も半端ではありません。国産サッシメーカーが提案してくる室内側樹脂、室外側アルミのサッシでは全く不十分で、ダラダラに露が流れます。
近年は各サッシメーカーも樹脂サッシを薦めてきます。ただ、これにも弱点が幾つかあって、静電気による埃の吸着で黒いシミのような物が出てきたり、傷への弱さ、枠の太さなどなど。特に枠の太さは凄い物があり、有る会社さんの製品はテラス窓(掃出窓)と枠が兼用になっている事があります。掃き出し窓のような大型窓と枠が兼用…というだけでもボリュームの大きさが目に見えます。実際、迫力の大きさです。
オルケアでは、現在樹脂サッシは採用していません。なぜなら、アルミ+樹脂の複合サッシに比べ、樹脂サッシはコストupになります。同じくらいのコストupで木製サッシが手にはいるので、こちらの方が圧倒的によいかなぁ…と思っています。しかも、ガラスはトリプルで、断熱性能や機能性は圧倒的に優れています。
木製サッシの大半は輸入品です。オルケアもスウェーデン製のサッシを使っています。ただし、国内に潤沢に在庫が有る物を使っています。輸入品は発注してから、納品まで早い物でも1ヶ月半、長い物では3ヶ月かかります。輸送中の破損も危険性としては高いですし、ガラスが割れることだって、ガラスですから結構可能性有ります。こういったときに輸入品は大変です。再手配っていっても、1.5~3ヶ月かかるわけで…
国内に潤沢に在庫がある場合は2~3日で代品が入ってきます。国産サッシより早いときが有るほどです。オルケアで使用している物は、国内に潤沢に在庫があり、素早い対応が出来ています。しかも、使用されている金物はドイツのROTOの物になっています。精度、剛性なども十分な性能です。価格も、かなりこなれていて、多くの木製サッシと比べ、お安くご用意が可能になりました。かなり魅力的です。
ただし、八ヶ岳の場合は太陽のエネルギーが非常に大きく、南面に関しては通常のサッシを使用して、夜間は断熱スクリーンを使用する事が最高の効率を発揮します。現在建築中の建物も南面は通常のサッシを使用し、東西と北面を木製サッシを採用しています。この組合せをすることで、室温を20度一定に保つために必要なエネルギーが灯油換算で100L以上節約となりました。
なぜ、木製サッシの方が効率が落ちるのか…枠の大きさによる窓ガラスの面積の小ささと熱線反射(室内側を反射するようには作られていますが)の金属膜による入射効率の低下などが響いています。断熱ペアガラスサッシでも、断熱スクリーンを使用することで、夜間の熱損失は木製サッシ並みに抑えることができます。日中は太陽エネルギーを最大限に活用し、夜間は抑える。上手にパッシブソーラーを取り入れて賢く省エネしましょう。夏の日差しは、庇の長さと高さを上手く計算してプランニングすれば、部屋には入ってこなくなります。(夏は陽が高いですから)
サッシも使いようだと思っています。お気軽にご相談頂き、最適なプランニングをしていきたいと思っています。
初めまして。白馬村で新築を考えております。現在、窓とサッシ選びで迷っています。白馬村は雪がとても多く寒い地域ですので、暖かい家にしたいと思っています。
家の断熱は、高気密にする予定はありませんが、グラスウール等を使って高断熱にしたいと思っています。
暖房は蓄熱式暖房のメイスンリーヒーターのみです。
サッシは複合樹脂を薦められていますが、正直、できればオール樹脂がいいなと思っていました。ただ、オール樹脂サッシと木製サッシで大幅な価格差がないのであれば、木製サッシがとても魅力的だなと感じていませす。
窓はLow-eペアガラスがいいのかな?と漠然と思っているところです。
知識が全くないので、木製サッシと樹脂サッシや複合サッシの価格差は全く分かりません。
何かアドバイスやお勧めなどありましたら教えてください。
南向きの40坪程度の家です。大体の予算なども教えていただければとても参考になります。よろしくお願いします。
投稿情報: romiGA | 2016年8 月27日 (土) 15:26
romiGA様
コメントありがとうございます・。BLOG担当の伊藤と申します。ご質問に、簡単にお答えさせて戴きます。
暖かい家造りには、断熱もさることながら高気密は避けることの出来ぬ事項です。高断熱にされればされるほど、気密が悪い場合の弊害は深刻な物となりますし、暖かい家は出来ません。北海道の北方建築総合研究所の実験では、建坪16坪の総2階の実験棟で、気密性能C=2の建物ですら、風速8mの風で1時間に4kw近いロスが出る結果が出ています。また、漏気する部分での結露も避けられません。(これが一番怖い)
サッシの状況ですが本記事の書込は2007年でして、すでに9年経過し、大きく状況が変動しています。現在は、allPVCサッシが潤沢に出回り、良い製品も多くなっています。お値段も随分と安くなりました。また、性能も上がっており、Low-eガス入りペアガラス+樹脂スペーサー仕様で、一時期のトリプルガラスに匹敵する性能を出す物もでてきています。現在お薦めを受けている複合サッシの銘柄が何かにもよりますが、サッシは出来るだけ性能の良い物をお薦めしています。
断熱に関しては、数十万程度の差額であれば、必ず回収出来ます。
詳細を拝見したわけではありませんんので、何とも言えませんが、現在の私どもの技術で家造りを行えば、メイスンリーヒーターほどの出力も不要で、暖かい室温が維持できます。(逆に暑すぎてしまう)
投稿情報: Allcare伊藤 | 2016年8 月27日 (土) 15:44