最近はナイロン製のバックばかりが多くて、あまり見向きもされなくなっていますね…。私は、年齢や見た目にそぐわず、鞄と靴だけは、使い心地の良い物を持ちたいと思うタイプなのです。
今は、殆ど鞄を持って…と言うことが八ヶ岳では少ないので出番がすっかり少なくなっています。でも、私の場合、出張の時はハリバートンを使い続けています。詐欺師か何か怪しい人間かと思われがちですが、これがなかなか良いのです。軽いし、使いよいし、容量もある。あらっぽく使っても、凹まないし壊れません。月の石を持って帰ったヤツは特別な仕様なのでしょうけど、雨に濡れても全然平気なのは、傘を持たない私には欠かせぬ鞄なのです。それにしても、ハリバートンのタフネスさは凄いですよ。今の物は、6年前に買い換えた物ですが、その前は12年使い続けました。
傘を持つのであれば、仕立ての良い革鞄が良いですね。昔は、持っていましたが、八ヶ岳に来て傘を持たなくなって、使わなくなりました。ブランドの物も良いですが、日本にも素晴らしい革鞄が幾つもあります。中でも、いつかは持ちたい…と思っているのが、ソメスサドルという北海道のメーカーの鞄。元々馬具のメーカーなのですが、その技術と材料の選択眼で素晴らしい鞄を作っています。デザインも、何も世界に誇れる鞄作りです。こういった鞄が似合う人間になりたい物です。
もっと、現実的な価格で行くと、子供のランドセルを探しているときに見かけた職人さんの手作り鞄。『長江 幸雄』さんの鞄工房です。テレビで見かけたのですが、作っているご主人の顔つきが本当に素晴らしい。こんな職人さんの鞄は良い物だろうなぁ…と思います。下の娘のランドセルは、この方のを持たせようと思っています。初めて手にする鞄ですし、長い間使い続ける物ですから、本物を持たせたいと思っています。この方の、ビジネスバック。写真からでも素晴らしい風合いと、こだわりが感じられ、一度実物を見に行こうと画策中。
革製品は、一発で仕立ての良さが見えてしまうのが怖いですね。でも、こういった職人さんの作品は、随所に細かな技で形成される微妙な曲線などが美しい鞄のシルエットを出していて、職人さんの心意気を感じられて好きであります。
なんだか、ブランド物や手頃な使い捨てに埋もれてしまいがちな、職人さんの一生物。この時代こそ大切にしていきたいですね。オルケアの建築もそうありたいと、職人さんと毎日頑張っています。
記事に強く共感いたしました。とくに最後のパラグラフにはグッときました。日本人は「本物」を見極められる優れた感性を持ち、質素だけど心豊かに生きてゆける国民のはず。小生も日々の忙しさでついついくもりがちの感性を、八ヶ岳の美しい自然の中でキュッキュッと擦って、老後に備えなくては...ですね。
投稿情報: 月下獨酌 | 2008年4 月 9日 (水) 19:17
月下獨酌さん 初めまして。記事担当の伊藤です。コメントありがとうございました。作り手の想いを感じながら、物を選び、使い込む…安易な使い捨てばかりでなく、今一度思い返したいと思っています。
最近、篠笛を始めたのですが、一本一本の音程が違う世界とはつゆ知らず…作り手の音なのだ…と思って吹いています。最初は量産品を使っていましたが、作家物を吹くとあまりの違いに驚愕しているこの頃です。
投稿情報: allcare伊藤 | 2008年4 月14日 (月) 13:07