オルケアの新しい事務所(レインボーライン沿)は特に特別な工法を取らずに出来るだけ断熱性能を追求した内容になっています。室蘭工科大学の研究室で開発されたQ値(建物の断熱性能を示す数値)を算出するソフトで試算したところではQ=1.1(床面積補正後)という数字となっています。
Q=1.1と言う数値がいかほどの物か…八ヶ岳は小淵沢を除き、国交省の地域区分ではⅢ地域となっていて、次世代省エネ基準のQ値は2.4以下となっています。単純な言い方をすれば、八ヶ岳での次世代省エネ基準クリアレベルの住宅に対し、オルケアの事務所は半分以下の熱損失しかないので、半分以下の燃料で室温をキープできるのです。国交省の外郭団体のホームページに、Q値については詳しく書いてありますので、参考にされてください。
ちなみに北海道での次世代省エネ基準はQ=1.6。この数値をも大きく下回っています。
さて、その断熱性能はいかほどの物か…。今現在、室温は23度。暖房は朝の7時以降入れていません。暖冬とはいえ、現在の外気温はほぼ零度。この状態が11時頃まででもキープされます。深夜電力で、暖房を入れています(蓄熱式では無く、ヒートポンプ式ですが)。これが、朝の7時まで稼働。でも、一晩の暖房コストは170円ほど。月間でも5000円ちょっとの暖房コストです。(現在、専用メーターを取り付けて計測中)これで、朝出社時の室温が21度ぐらい。後は、OA機器の放熱や、人間の熱、お茶などを入れる放熱に照明の放熱などで、暖房を入れなくても室温がキープされます。事務所ですから、普通のお宅と比べ、相当に人の出入りも多く、エネルギーロスが大きい筈なのですが、この状態です。
部屋に熱源がないために、空気も乾かず、温度差もありません。足下から、ロフトの物置まで均一の温度状態。実に居心地が良くて快適です。高気密の家は住みにくい…という声を時々聞きますが、大きな間違いであることを、この事務所は実証しています。きちんと計画換気され、この心地よさ。ちょっと、他には得られない不思議空間であることは間違い有りません。お越しになった皆さんは一様に驚いています。それほどインパクトのある快適さです。水曜日以外は、何時でも御覧頂けます。夜遅くでも、電気がついているときは気軽に覗いてください。遅い時間でも、無暖房で実に暖かく、快適で有ることがお解り頂けると思います。
論より証拠はこのことだと思います。是非、住宅・別荘をご検討の方は体験して頂きたい快適さです。
Q=2.4程度の住宅は札幌より冷え込む、八ヶ岳では性能不足としか言えません。せめてQ=2.0以下にしていかないと厳しいです。また、気密もしっかり取らなくては、断熱材を理論上Q=2以下になるように入れても性能は出ません。建物全体の気密も重要ですが、何より断熱層への気密が大切です。オルケアは北海道への度重なる研修や、日々の徹底した現場管理、職人さんたちの意識改革によって、この事務所に代表される性能を出せるところまで来ました。
Q値という数値はなんだか分かり難く、取っつきにくい方のために、オルケアでは年間の灯油消費量に換算してご案内しています。現在、延べ床30坪ほど、室温を20度に常時保って、年間の灯油消費量が300L(年間の暖房費が18000円程度)ほどの住宅を建築中です。原村のアメダス気象データを元に計算した物ですので、実際にはほぼ無暖房での生活が出来ると考えています。(大泉町の標高1150m程の場所です)来年の冬が楽しみです。こちらのblogで随時データをご報告させて頂きます。
『暖かい家』だけでない『快適な家』『楽な家』への追求は現在もとどまるところがありません。日々、研究と検証を繰り返し、新しい事への探求心を絶やさず、歩み続けています。
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