オルケアではログハウスも扱っています。なので、その部分の知識もしっかりと持っています。
でも、今朝お客様から、あるblogをご紹介戴き、興味深く拝見させて頂いておりました。どうも、茅野市北部の別荘地に別荘ログハウスをお建てになった方のblogなのですが、冬場の電気代が7万円だの5万円だのかかって…とのお話。ログは断熱性に優れている…と勘違いをされておられるようです。私がその記事を見た瞬間に、提案した工務店の責任は大きいな…と思いました。
ログは確かに躯体に蓄熱がしっかり出来、温度変化が少なくできる利点がありますが、決して断熱性が凄いと言うわけではありません。日本で一般的に出回っているログは殆ど90mm~120mmの間の厚みしか有りません。木材の断熱性は数値で表すと0.1W/m・kと一般的に言われており、私たちが使用している断熱材の0.03W/m・kと比べると1/3以下の断熱性能しか持っていません。私どもの建物では70mmの厚みでの吹きつけを行っており、それをログに持たせようとすると230mm以上の厚みを持たせないと、同等の断熱性能にはならないのです。
上記の数値を実証するデータがあります。フィンランドでの日本の公庫基準のような基準での要求断熱性能を日本の指標に換算するとQ=1.65と言う数値になります。これは北海道での次世代省エネ基準に近い数字です。この数字をクリアするために、204mmというとてつもなく太いログを使っています。フィンランドでは、殆どこのサイズのログを使っています。
今や、断熱性能で比較したときには在来工法が来るところまで来た…と言った感じがしています。(2x4も同様ですが、断熱厚みからすると2x6で組まないといけませんね)
なので、100~120mmぐらいのログサイズでは、断熱性能が追いつかなくなってしまうのですね…。理論的に断熱を理解していればわかる話なのですが、残念ながら業界では殆ど見かけず、感覚的な言葉だけが飛び交っている現実を今回のお話で痛感しました。オルケアでは理論的に断熱の分析を行っており、暖房に必要なエネルギー量をほぼ正確にシュミレート出来るまで来ております。
これらの数値には、徹底した気密性能が必須であることを忘れてはいけません。結露事故に止まらず、無駄なエネルギー損失につながり、果ては建物寿命を著しく縮める原因になります。気密性能は、高い施工品質に、気密に対する理解をしていないと実現しない物です。図面のスペックでは左右できない事項でもあり、これも十分に勉強しないといけない部分です。また、世間で言われている高気密水準は、まったくもって不十分な数値です。次世代省エネ基準の不十分な水準によって、不完全な高気密住宅が増えています。
オルケアでの本当の高断熱・高気密住宅を是非実感しにお越し下さい。お待ちしております。
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