もう数年前になりますか…慶応大学の清水研究室が主体となって【エリカ】という化け物電気自動車が出来たのは。400kmの最高時速を目指して製作され、たしか370kmまでは記録が残っていると思います。
その後も、このときの清水教授の研究は続いていたというか、大きく飛躍していたとは思いませんでした。シムドライブというベンチャー企業を設立(といっても、かなり大がかりで、名だたる企業が出資し役員にも)して、研究が続いていたんですね。
その成果が【SIM-LEI】という試作電気自動車。エリカの時と同じ、各車輪にモーターがある、インホイールモーターを使う点が特徴です。何と言いましても、バッテリーの容量が27.5kwhで300kmを越える航続距離を持っていること。日産のリーフが24kwhの容量で160kmほどの航続距離で有ることからして、相当に違いがあります。ついでに、各車輪にモーターが入っているので4WDです。
電気モーターは、ガソリンエンジンとは全く異なる特性を持ち、それを生かした技術で、今までの自動車とは全く違う世界が生まれてきそうです。今回のSIM-LEIも、各車輪にモータがあるので、エンジンに相当する部分が車体に無く、当然ですがギヤボックスなどもありません。低回転から高回転までトルクの変わらない電気モーターの特性を生かした構造と言えるでしょう。その為、車体が軽く、単純に作れるようです。(制御は大変そうですが…)
まだまだ電気自動車は創生期なんですね。それにしても27.5kwhで300km行けるとなると、相当にコストは安いです。深夜電力で充電すれば、1kwh=10円弱。満タンにしてたったの275円。ハイブリットでリッター30km行ったとしても1400円です(リッター140円として)。普通の車でリッター10kmとしたら4200円!!いかに電気自動車が高効率かがわかります。
もう10年もすれば、この様な効率の電気自動車が当たり前になるんでしょうか。試算では、この効率での電気自動車が一般化し、国内の乗用車が全部電気になっても、深夜電力需要の10%が増えるだけで、新たな発電所は必要ないとか。凄いです。早く実用化してもらって、日本の自動車産業の新たな幕開けに期待したいです。
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