建物の熱損失から建物内部全体の気温を保つための必要エネルギーという物は、気密性が保たれた建物であれば非常に簡単に算出ができるようになりました。お客様には分かり易く、必要な灯油量として換算しご案内しています。
ここで、色々なシュミレーションが出来るんです。壁の断熱や屋根の断熱を色々な素材でやってみると随分と変わるんですよね。灯油の消費量が。簡単に500Lぐらい変化しちゃいます。特に建物に対し特殊な工法を要求せずに、断熱を厚めに吹き付けるとか、サッシを高断熱にするとか、断熱スクリーンを併用するとかで、全体を高断熱化することで、年間の灯油消費を大幅に削減する事が可能です。
ある建物で色々と試してみました。平屋でサッシが物凄く大きく、熱損失的には非常に厳しい条件の建物です。断熱アルミサッシ+ペアガラスの建具にロックウール50mmの断熱材で全体を断熱したところ…年間1800L位必要と出ました。
これを、吹付断熱で全体を吹付、その厚みを工事に支障ない厚みまで吹き付けただけで年間1000L位まで下がります。これにサッシを工夫したり、外壁外側に付加断熱を加えることで500Lぐらいまで下げることが可能です。実に三分の一以下の灯油で一年中の室温を一定に保てる計算です。500Lの灯油と言えば、高騰中とはいえ4万円ほどです。凄い魅力的な数字です。年間にすると10万円以上の差額が発生する計算です。新築時であれば、工法を変えるほどの高断熱はともかく、工法変更無しでどこまで断熱をかけても差額としては100万円を超えることは少ないです。そうすれば、10年足らずで元が取れる計算です。
断熱だけは、後のリフォームで性能を出すことは非常に難しい事です。新築の時に頑張っておけば…と思います。エコキュートやその他の最新省エネ設備機器は新築時でなくても後から施工可能です。断熱だけは新築の時に可能な限りしっかりやって損は無いはずです。しかも、断熱だけはやりすぎと言うことは決してありません。やればやっただけ効果が出る分野です。(施工する工務店の技術に寄ります。気密の悪い建物や、間違った断熱施工では意味がありません。オルケアの建物の場合はやるだけ性能は上がります)北海道では200mm断熱が増えてきています。これは結構工法を変えて行かなくてはなりませんが、内壁に目一杯+外壁に少しだけ付加であれば、一般の工法とかわりません。若干の手間と断熱材の費用がかかるだけで実現できます。
暖かい家の心地よさは本当に素晴らしいものです。オルケアの事務所は未だに、未明の弱暖房のみで現在も暖房が切れている状態で室温を20度以上をkeep。心地よいです。小さくても、質素でも良いと思いますが、この快適性だけは健康のためにも何事に対しても優先度を高めておきたい事項です。
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