九州まで、国産材100%杉ログの生産現場を見てきました。パインのログとの違いなどを実地でじっくりとみて、産地まで赴いて伐採から出荷までを通して視察してきました。
写真は、ログになる直前の角材です。これが100x200のログ材に製材されます。105x210という立派な平角材です。在来では大きめの梁などに使っています。これが、壁に積まれていくのですから、凄いと思います。この材は、既に乾燥を済ませてあって、含水率が15%位にコントロールされています。一本一本に隙間が出来ような工夫もキチンとされていて、いかに乾燥に関し気をつけているのかが解ります。
感心したのは、割れが非常に少ない事。(これは、築2年ほどの現場にも行きましたが、極めて割れが少ない。パインの無垢ログとは随分と差があります。)そして、材の素性がとても良いこと。目の曲がりが無いだけではなく、製材直前の角材を拝見しましたが、曲がりが殆ど無いのです。これは素晴らしい。
今回見学に行った、熊本の製材工場では、ドイツから輸入した乾燥機を使っていますが、非常に性能に優れていて、割れが殆ど無いような乾燥材を作っていました。しかも、乾燥の度合いが非常に高い。日本で幾つか製材工場を見てきましたが、ここまでの技術を持っているところは大手を除くと殆どありません。極めて安心感が高い内容でした。
この機械で、ログの形状を作っています。熟練工の職人さんが、木を一本一本チェックして、最適な加工をしていく様は整然としていて、機械と人間とが非常に良いバランスで作業をしていると思いました。
ただ、木を加工するだけではない、素性を見極めて、高い精度での加工がここではなされています。
また、ここで加工されている材は小国杉という素晴らしい材なのです。70年ぐらいの一本から一本取りで加工される杉ログは、ほぼ赤身で構成されていて、素晴らしい耐久性と風合いを持っています。加工場にあったトイレなどは、15年間全く手入れがされていないにもかかわらず、小口などをチェックしても腐りなどは全く見られませんでした。熊本という非常に厳しい条件であっても、まったく問題が無い…これは驚きです。(熊本はとても凄い高温多湿です)
熊本でのログ加工は既に十数年前から量産体制があって、各職人さん達も慣れた手つきで作業をされていました。全自動で作業をしていくのではなく、図面を各職人さん達が飲み込んで加工をしていました。チェックシートも充実していて、非常に整然と作業が行われています。ログ加工で多い穴のミスなどが極めて少ない…と言われるのも、この辺の作業工程ができあがっているからだと思います。CAD/CAMも悪くありませんが、各工程・各職人さんのチェックが重なっていくことでの確実な加工の有るべき姿がここにはありました。
杉は、保温性に優れ、香りも程良く、飽きの来ない風合いが特徴です。特に、この小国杉は挿し木の為、風合いが本州の杉と全く違います。ほぼ赤身ですし、木目の出方が違うので、意外なほどログや洋風の仕上げに馴染みます。意外な発見でした。
気になる価格ですが、非常に魅力的な価格となっています。TALOのラインナップでは、一番安い無垢ログより10%位のupです。ラミネートログよりは安いです。材質良し・加工良し・風合い良しと魅力的な純国産ログとなっています。是非、御検討下さい。
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