ちょっと核心的な話をしなくてはなりませんね。高気密と高断熱はセットのように言われますが、実は高断熱にすれば自ずと高気密になってくるんですね。高断熱と中気密や低気密はあり得ないのです。というか、そんな家を造ったら内部結露は必至。どうにも逃げることは出来ません。
なんでそんなお話しになるのか…今時の家の構造から考えましょう。今時の家は、外壁の仕上げ材があり、その下は通気層になっています。通気層があれば、内部結露はしない…なんて妄想がいまだ八ヶ岳では一般的ですが、そんな訳があるはずありません。その通気層の下に防水のためのフィルムがあり、その下は構造用合板を張り込んでいます。
外断熱の時は構造用合板と防水フィルムの間に断熱材を入れています。これなら、内部結露の危険性はかなり少ない。但し、気をつけなくてはならないのは断熱材の厚み。断熱材は熱を遮断する訳では無く、限りなく熱伝導を遅らせる部材です。八ヶ岳で多く使われるポリスチレン保温版JIS三種B規格の場合は、有る程度の厚みが必要です。この厚みは、気象データと断熱材の性能で決まります。この理論をキチンと説明できる工務店は少ないはずです。八ヶ岳で内部結露を起こさない厚みを貼り込むと、窓の収まり等が難しくなってきます。オルケアでは窓が外に逃げること、外壁仕上げが壁躯体から離れていくために保持が難しい等で、オルケアは外断熱を主断熱にすることをやめています。内断熱を、さらに断熱性能を高めるための付加断熱として、薄目の外断熱を加えることはあります。
さて、肝心の内断熱ですが、これが非常に難しい。東京などと大きく違うのが、内外の温度差が非常に激しい事による、内部結露を防ぐための対策です。最近ではメーカーさんも、Ⅲ地域以北では気密層を…と言うようになってきました。グラスウールでも、ロックウールでも、セルロースでも、総ての繊維系断熱材は同じ事が言えます。繊維系断熱材は風を通してしまいます。部屋の中の暖気が断熱材を通り抜けるのです。これが、冷え切った冷気に反対側をさらしている構造用合板に触れたらどうなるでしょう。すぐさま、冷たい水を入れたコップと同様の状態です。これが内部結露です。この辺は、飽和水蒸気圧計算で簡単に出るか出ないか判定できます。これも、理解している工務店は殆どありません。
2X4では内部結露がおきにくいと言われています。確かに、これには根拠があって、2X4は外貼り面材(構造用合板)と部屋内の石膏ボードで完全に壁内を囲ってしまうからです。こうしないと構造的に2x4は成立しません。ただ、これでも電気のコンセント他は気をつけなくてはなりませんし、構造的にボード気密を取れないので、寒冷地では徹底した気密工事を行い、部屋の暖気が断熱層へ入りこまないようにしなくてはなりません。(コンセントは結構スースーに抜けるんですよ)在来工法は、外貼り面材は貼り込んでも、石膏ボードを土台から桁まできっちり貼ったりはしません。必ず、大きく空気が抜ける造りになります。これが大敵なのです。
従って、八ヶ岳のような高冷地では徹底した気密工事を行って、暖気が合板へ触れないようにしなくてはなりません。
オルケアでは、フロンガスを使わない現場発泡断熱材を用いて、この気密の問題をクリアしました。さらには、固くない発泡材ですので、木がやせても追随していきます。これにより飛躍的に暖かな家が実現しています。フロンガスを使っていませんので、性能の経年変化も極めて少ないのが特徴です。是非、体験して頂きたいオルケア建築の快適さです。
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