珪藻土の屋内使用がEUの一部で制限を受け始めたのは、かなり知れてきましたね。どうも、二酸化珪素の結晶がアスベストに近似した形状であること原因とか。どうなるのかは、今後の推移を見極めるとして、元々塗るには不向きな性質の物を無理矢理塗っているのだし、色々問題有りか…と言うことで、オルケアでは積極的にお薦めはしていません。
そんな中、漆喰が脚光を浴びています。ただ、本物の漆喰は割れの問題が避けられません。ヨーロッパでは昔から、下地に和紙のような強い紙を貼って、その上に仕上げていく方法が取られていました。これは、割れを最小限に、将来にわたってのメンテナンスを減らし、表面の仕上げを平滑にする有用な方法です。
そんな中、最初から工場で漆喰を和紙のようなベースの上で仕上げてきた素材が出ました。これは大変に具合がよいです。また、心配な目地もほとんど目立ちません。(オルケアの内装職人さんは普段から和紙系の壁紙の扱いに慣れていますから…)不思議なのは、施工時は大変柔軟性のある状態で届きます。表面の養生紙を剥ぎ取ると硬化が始まり、2週間ほどで完全に硬化するようです。漆喰の性質を上手く利用し、施工を簡単に、お引き渡しの頃にはカチカチに…と言った具合です。
『ルナファーザー』や『オガファーザー』と言ったヨーロッパ由来の壁仕上げ材も魅力ですが、それらとほとんど変わらぬコストで漆喰仕上げが出来ます。さらに、『ルナファーザー』等とほとんど同じような製品が、東リからも出ています。オルケアの事務所も使用していますが、非常に良い風合いを持って、かつ価格的に非常にお手頃。こちらでの仕上げが多くなっています。リフォームもオーバーペイントですから、簡単で余計な廃棄物も出しません。また、もと素材がケナフからの紙ですから、安心です。
いずれも、施工には熟練度が要求されます。ビニルクロスは施工時に引っ張りながらの施工が可能ですが、和紙や紙系は糊を付けたら、とても破れやすく施工に慣れを要求します。オルケアでは4年以上前から和紙系の素材を使用してきており、事務所の施工を見て頂けると一目瞭然です。目地など、全く見えないほどです。
是非、壁仕上げに関しても、良い風合いと優れたコストパフォーマンスの両立を図りたいところですね。
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