昨日は、窓の色々を書きましたが、今日はガラスの色々。
住宅の窓用ガラスには、一枚だけの単板とペアガラス、三枚のトリプルガラスが有るのはよく知られています。でも、三枚ガラスはなかなか特殊ですし、何しろ重い。性能は最高ですが、全ての方にお薦めできる物でもありません。実際、私の家でも南面だけはペアガラスを使っています。八ヶ岳の燦々と降り注ぐ陽光をたっぷり取り入れるには、トリプルでは大きさも、入射効率も十分でなく、ペアガラスにせざるを得なかったんですね。
今回は、八ヶ岳で使う事の多いペアガラスとトリプルガラスの中でも、幾つか種類が有るのをご説明します。
ペアガラス。名前の通り、二枚ガラスです。通常のペアガラスは二枚のガラスの間に、極度に湿度を落とした乾燥空気を封入した物です。メーカーによっては、八ヶ岳の標高に合わせ、封入圧を調整してきます。このタイプのガラスは、八ヶ岳の気候においては、冬場の結露は避けられなくなってきています。建物の断熱が良くなっている分、外気との温度差が激しく、ペアガラスでは厳しい時が多くなっています。
このペアガラスに特殊なコーティング処理を行い、熱線反射をすることで性能を高めたガラスがあります。『Low-e』と言われる技術で、興味のある方はご存じの方が多いかも知れません。でも、このLow-eに種類が沢山あることは余り知られていません。国産のLow-eでも三種類あり、外部からの熱線を反射するタイプ・中間タイプ・内部からの熱線を反射するタイプ…となっております。ただ、内部からの熱線を反射するタイプでも、外部からの熱線をかなり反射してしまい、太陽光そのままを100とすると40程度しか通しません。外部の熱線を反射するタイプなどでは20程度しか通さないそうです。その為、間違って扱うと、冬の日溜まりがちっとも暖かくない…という笑うに笑えない現象が起きます。
実は北米の木製サッシでは、多くの場合外部熱線反射型のlow-eを採用していることが多く、特に注意が必要です。オルケアでは、内部反射もしくは中間型への指定が不可能な際は、あえてLow-eはレスオプションとし、付けずに発注をしています。
この他に、Low-eにガラスの間にアルゴンガスを封入した物もあり、これはまた断熱性が高く、有効な方法です。国産でもガス入りのペアガラスが一般に流通し始めています。
さらに断熱性を高めた物で、真空ガラスといって、ペアガラスの間の空気を抜いた物もあります。非常に断熱性が高い物ですが、お値段もお高いので、まだまだ一般的ではありません。これだけの値段を出すならば、木製サッシの方が優位性があります。
このように、様々なガラスが選択肢としてあります。国産のペアガラスサッシを使う場合、標準的な普通のペアガラスの時の価格に対し、Low-eにしても10~20%upでご用意が可能となっています。性能対比で考えると、十分に選択する意味のある差額です。オルケアでも採用する物件が増えてきています。色々と考えてみる必要がある部分です。
たびたびお邪魔してすみません。最近MIXIからブログ関係の方にシフトしつつあり、大泉関係のブログを閲覧しまくっているもので・・・
しかし、この記事は実に役立ちます。花マルものですぞ。建築を考えている多くのユーザーがネットサーフィンでここにたどり着くことを願ってます。
ちなみに、うちが建てた12年前はネットがなく全てが手さぐり状態でした。当時、同友さんで使ってたアンダーセンがあまり好きでなく、自分でマービンの代理店に通いまくって研究し、資料を集めまくったたことが懐かしいです。
投稿情報: yoshi-pooh | 2008年5 月 9日 (金) 03:18