断熱材が足りない話は昨日でした。今日は断熱材は厚く入っていれば良いって物では無い話。
先日、リフォームで伺った建物。バブルの頃に建てられた建物ですが、断熱材は殆ど硬化してしまい、ただの板になっていました。これでは、効き目無しです。
なぜ硬化したのか…。結露です。壁内で発生した結露が、綿状の断熱材の中に入り込み断熱材を変質させてしまっていたのです。
結露がなぜ起こるのか。実は通気の問題ではありません。逆に、綿状の断熱材部分に部屋の暖気が入り込まないように、しっかりと気密を確保していないから起こるのです。綿状の断熱材部分に暖かい空気が入り込み、外壁に面した冷たい外壁面で大量に結露が発生。その結露を綿状の断熱材が吸うのです。
実は、八ヶ岳において、綿状の断熱材に暖気が入り込まないような施工を実施しているのは、見かけることが殆どありません。そのような意識の無いままに、施工されている物件が殆どです。
八ヶ岳ではそんな、北海道のような施工は不要ですよ…という意見もあるようですが、遙かに標高が低い大泉のアメダスの平均値を見てみると驚きます。北海道の札幌並に、冬の最低気温は下がります。冬の最高気温は札幌より数度高い。これは、一日の温度差が非常に激しい事を示しています。これは、結露が発生しやすくなると言うことです。ですから、北海道以上に気をつけなくてはなりません。
オルケアでは、以前よりそのような事象に対し研究を重ねています。かつてから、結露の心配のない施工方法を実施していますので、大丈夫です。無闇に厚くなることなく、性能を最大に発揮し、結露が発生しないようにしています。
そうそう、綿状の断熱材は、つぶしてしまうことで驚異的な性能低下が起こることも余り知られていません。メーカーのホームページには正しい施工法が出ていますが、そのようなやり方をしているのを見ることは殆どありません。袋入りグラスウールの取付方法自体が間違っている事が殆どです。
建築では、殆どの事で言えることですが、適材適所。扱い方を間違えれば、大きな事故につながります。見えない部分だけに怖い所です。ただ、入れれば良いって物ではありません。適切な施工方法で、精度高く施工する事が非常に重要な部分となっています。
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