日本酒と言えば、新潟。これは紛れもない事実で、美味い日本酒がズラリと並びます。
ここに来て、淡麗辛口だけでなく、ズシンと来る日本酒や、実に複雑な味わいを見せる日本酒が出てきました。そんな味わいにも上品さがあって、酒好きを狂わせる物が多くなってきたのも事実です。
今年の八ヶ岳は、ちょいと寒いので、私も日本酒に手が伸びることが多くなってきました。そんな中で、山口県の日本酒が面白いほど個性あふれる美味しいお酒を出すようになっているのに驚きです。
私が育った頃の昭和の山口県には、美味い日本酒は少なく、岩国の『五橋』が全日空の定番でしたっけ、飛行機に乗っていたぐらいでしょうか…。地元では岩国の『金冠黒松』が圧倒的な支持を得ていたように思います。贈答の定番というか…ね。山口では、蒲鉾は『白銀』、日本酒は『金冠黒松』って感じでした。
所が、平成の時代になって、随分と変わってきたようです。
まずは代表的な『獺祭』(だっさい)で有名な旭酒造。私も、山口を離れてから知りました。近かったのに…国道2号線から山へ入ること数キロの小さな蔵です。杜氏を持たず、社員総出で醸す特殊性、純米大吟醸のみ醸す特殊性は、日本の酒造りを根本から覆す物だと思います。それだけに、小さい蔵にも関わらず、高品質で手ごろな価格の旨い酒造りを実現しているのだと思います。(蔵の大きさからすれば1000石程度と思いましたが、2500石年間造っていると聞き、驚きました。その分、ストックが無く、フレッシュな物を供給しています)
最近話題に上ることが多いのが『山猿』を醸す永山酒造さん。ここも、最近知りました山陽小野田市に有ると聞き、これまたびっくり。厚狭駅の近くと聞いていますが、酒造りには余り縁の無い場所と思っていました。所が、平成になってから、個性あふれる高品質なお酒を連発しています。
もう一つ、そのご近所に彗星のごとく現れたのが『永山本家酒造所』。昭和50年生まれの若い杜氏でもあり、蔵元である永山貴博さんが醸す『貴』はワインの様なハーモニーを奏でる銘酒です。花のような香りが駆け巡るのですが、酸がしっかりしており、キレがよい。まだまだ小規模ですが、既に入手が困難になり始めています。
酒処の西条(広島市の東)を差し置いて、日本酒好きのお酒が連発中です。凄く水がよいわけでもないし、米どころでもないのですが、人一倍情熱がこもっているのでしょうか。山口県の日本酒。なんだか今が旬のような気がします。
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