ある日のカフェの仕入れ。
いつもは三重県から入ってくる魚が、海の状況の影響で足りなくなり、補充に甲府まで出てきました。すると見事な鰤があるじゃありませんか。三重から入ってくる鰤は7kg前後。これも素晴らしいのですが、お魚屋さんに入っていた鰤は10kg前後で、身の丸さからしても、脂ののりは上々であることが伺えます。
さすがに一本は重たいので、半身を戴く事にしました。で、切った身を見て愕然…血抜きが出来ていないのです。スーパーで鰤の身を見慣れている方は、違和感が少ないかもしれませんが、鰹のような赤身になってしまっているんです。
サニーサイドカフェでお出しする鰤の刺身は、真っ白か、淡いピンク色だと思います。これは、船に上げたときに、速やかに締めて、血抜きをする事で実現する身の色です。カフェで提供する鰤は、神経締めも行っていますので、死後硬直がなく、刺身の状態は抜群です。
血抜きの出来ていない身は、劣化が早く、味わいも生臭くなりがち。こういったときは、たたきにして、その日のうちに召し上がって戴くか、味噌漬けなどにして、別の味わいに変化させるしかありません。残念ながら、鰤しゃぶにも出来ませんでした。
やっぱり、無理してでも三重の網元にお願いせねばと、痛感しました。
青魚は特に、処理で味が大きく決まってしまう様に思います。cafeでは、入荷次第からも、もう一度処理を行い、無用な水分に当たること無く、-1℃前後の理想的温度での管理保存を行うようにして、ベストコンディションを維持するようにしています。
産地や氏もあるかもしれませんが、半分近くは、処理が重要だな…と痛感した仕入れになってしまいました。
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