最近はTVなどですっかり有名になってきましたが『桜エビ』の漁が始まりましたね。水曜日に由比の魚屋さんに行ったら初物が並んでいました。まだ、高いので手が出ませんでしたが。
この桜エビのお料理が一番美味しく食べられるのが『倉沢屋』です。由比の西外れの『さった峠』へ向かう細い旧街道沿いにあります。国道や、高速道路からもよく見える高台に位置し、食堂からの富士山と駿河湾への眺望は素晴らしい物があります。安藤廣重の絵にある『さった峠』からの富士山とほぼ同アングルの眺望で、富士山が望めます。
ここの桜エビのかき揚げは、良くバラバラにならないなぁ…と感心するほど衣が少なく、軽いのが特徴です。不思議なくらい、衣が少なくて繊細な桜エビの味と色合いが十二分に楽しめます。通販もされていますが、やはり冷めてしまってはテンプラは台無し。是非、一度食べに行ってみてください。
由比には他にも何店か、桜エビ料理を売りにしているお店がありますが、倉沢屋さんが一番安定していますし、美味しいです。また、お店の真正面沖合には定置網があり、ここからの海鮮類が美味しいです。お刺身の外せない逸品です。
アクセスする道が狭いので、大型車の方はちょっと苦労するかもしれません。駐車場も、絶壁に無理矢理ステージが作ってあっての駐車場なので、狭いです。小さな車で行かれるか、由比駅の駐車場へ駐め、ちょっと旧街道を散策するかが良いでしょう。10分はかからない散歩道です。
さて、お土産の桜エビですが、地元漁協で直売所がありますから、そこで買うのが良いでしょう。国道からも信号で出入りでき、狭い道を走らなくても大丈夫。
私は、桜エビを余り食べず(高級品なので)、超まぼろし…と言われている『はだかいわし』を買いに行っています。これは、直売所では出てきません。ほぼ地元で消費され、市場に出ることもありません。日持ちもしませんし。物凄く脂の乗った濃厚なシシャモ…といったら良いでしょうか。イワシではなくて、深海魚なんだそうです。桜エビの網に混じることがある、深海魚なのです。引き上げる過程で、皮が剥げ、裸になっちゃうから、この名前らしいです。ちょっと恥ずかしいですが、素晴らしく美味しいのです。炙って戴きます。
この、超まぼろし…の『はだかいわし』が大抵入手できるのが『吉岡魚店』です。様々な定置網物の魚も安く手に入り、しかも素晴らしくお安い。水曜日も『はだかいわし』が10尾入りで700円と良心的でした。いつも700~1000円で売っています。おばちゃん特製のしめ鯖も最高に美味い。素材の鯖が素晴らしいのもありますが、〆加減などが見事で、我が家もいつも争奪戦。半身350円という超良心的価格も嬉しい。(結構なボリュームですよ)
私はとても手が出ないので、食したことが有りませんが、由比にはもう一つ凄い魚があります。『興津鯛』です。一枚が8000~15000円もする逸品で、すこぶる美味だそうです。厳密には隣町の産物ですが、桜エビと由縁が有るらしく、普通の甘鯛に比べ色が強く、甘さが際だつらしいです。徳川家康公が静岡に居た時に口にして、たいそうお気に召して命名したらしいですよ。何しろ、年に何枚も上がる物では無いらしく、本当のまぼろしだそうです。これは、なかなか手に入る物ではなさそうで、私も一回だけ清水港の魚屋さんで見かけたきりです。もし、ご興味有れば…。
私は興津の鯛焼で十分です。戦後すぐのレシピそのまま。美味しいあんことのハーモニーが素晴らしい鯛焼きです。私は、日本で一番お気に入りの鯛焼きです。興津の集落、旧街道沿いにあります。
八ヶ岳から2時間少々。意外と近い駿河湾。私は、甲府南インターから精進湖経由で朝霧高原を抜け、富士市から国道一号へ出てアクセスしています。最近は52号線もトラックが少なくなって、鰍沢まで高速が繋がったので意外と早くなりました。
秋の冷たさと打って変わって、温暖な由比。秋にお奨めなドライブコースです。
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