この度の大震災では、八ヶ岳は15時間の停電があって、多くの方が困ったと思います。電気がないと、使える暖房機は薪ストーブとアラジンの灯油ストーブ、火鉢くらいでしょうか。また、ボイラーがあちこちで凍結によるトラブルになったようです。
オルケアでも、水抜きをせずに運用する山荘が数十棟ありますので、ちょっと心配になってしまいましたが、蓄熱暖房機の蓄熱量と、オルケアの建物の断熱性能の良さがあって、凍結に至る迄の建物は有りませんでした。
でも、この停電がもっと長期になった時にも対応出来る様に、色々と探しておりました。今年の北海道研修にて見付けたアイテムにデンマーク製の太陽熱パネルという物がありました。太陽熱で空気を暖めて、太陽光発電でファンを回して暖気を送り込む優れものです。パネル一枚で1kw程度の能力があるので、結構な能力があります。
オルケアの建物の様に断熱性能が非常に高く造っている建物では、日中にしっかりと暖めれば、夜間で冷え込む様な事はありません。建物の大きさにもよりますが、2~3枚のパネル設置で、自然エネルギーだけで水抜き不要というのも夢では無くなってきました。(数日間の天候不良の為にバックアップの何かは用意しますが…)停電にも、心配しなくて大丈夫です。
今年中に、試験施工を行い、今度の冬は実証実験してみようと思っています。このパネル、場所さえあれば後付も可能ですので、既存の建物でも使えます。設置は一枚3時間程度。リフォームでのご要望にもお応えします。蓄熱暖房機の運用コストもセーブできるアイテムではないでしょうか。全くランニングコストのかからない、究極の補助暖房機だと思います。
実は太陽光発電に比べ、太陽熱利用は非常に効率が良いことも重要です。太陽光発電は、一番効率の良い三洋のHITでも17%弱。太陽熱利用は最低でも50%を越える効率です。それを有効利用しない手はありません。
※注意:このパネル、蓄熱機能はありませんので、断熱性の高い建物でないと意味がありません。日中に出来るだけ熱を蓄え、夜も維持できるだけの断熱・気密性能が必要です。すぐ冷える建物に取り付けても、一番必要な夜間はパネルは作動しないので要注意です。
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